任意後見発効前の金融機関の対応について

財産管理委任でも正式な代理人として取引できるか

 

任意後見契約には

  1. 即効型(契約締結後すぐに始める)
  2. 移行型(ある程度判断能力があるうちから財産管理をお願いし、判断能力が衰えたら任意後見に切り替える)
  3. 将来型(判断能力が衰えたら始める)

の3つのタイプがあります。

契約の形としては圧倒的に2の移行型が多く、ある程度しっかりしているうちから財産管理を任せることで、信頼関係をしっかりと築けることがメリットです。

後見が始まると、金融機関でも登記事項証明書(後見が開始していることを証明する登記)等を確認し、「○○○○(本人の名前)成年後見人庄子裕絵」として、後見人による取引を問題なく開始するこができます。

しかし、本人の判断能力がまだあるうちの財産管理委任契約の時点で、金融機関としては、本人以外の親族でもない第三者に代理を認めるでしょうか。

 

受任者による代理は認められる

 

これまで代理人登録した金融機関と必要書類です。

地元の信用組合

  • 移行型任意後見契約公正証書
  • 本人が署名捺印した「代理人届出書」+ 印鑑証明書(この書類で財産管理人の印鑑も登録)
  • 財産管理人の身分証明書

同じく地元の農協

  • 移行型任意後見契約公正証書
  • 財産管理人の身分証明書
  • 印鑑届(財産管理人の印鑑で登録)

ゆうちょ銀行(公正証書作成より6か月間に限る)

  • 移行型任意後見契約公正証書
  • 「成年後見人等に関する届出書兼利用代理人等設定依頼書」
  • 財産管理人の身分証明書(免許証および行政書士証票)
  • 印鑑届

以上の金融機関でこれまで設定しましたが、特に問題になることはなく、代理権目録に「金融機関とのすべての取引」とあることで、スムーズに対応していただけました。

 

財産管理委任契約・成年後見の認識は浸透している?

 

これまで法定後見により金融機関に出向く際も、理解して対応していただける感覚はありましたが、本人の判断能力がまだあり、後見に至っていない状態での財産管理についても、金融機関のほうでしっかりと対応していただけるところを見ると、移行型の任意後見契約もずいぶん認知度があがってきているのかな、とうれしく思います。

せっかく契約を結んで代理権を与えられているのに、財産管理のためにいちいち本人の意思確認として委任状が必要だったら、財産管理人はお使い「お使い」になりさがってしまいます。

 

委任を受けて代理権を与えられている代理人として、これからもご本人を尊重しながら自信をもって活動していきたいと思います。

 

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