成年後見人にはできないこと ①身元保証
そもそも身元保証ってなに?
近年おひとりさま問題が様々な書籍やメディアで取り上げられ、
「身元保証人がいないと施設への入所や、入院ができない」
といった内容に触れたことがある方が多くいらっしゃると思います。
身元保証とは何なのでしょうか??
身元保証に関する法律(身元保証法)
雇用関係等において被用者の行為によって使用者が被った損害を保証する、保証人の責任を限定することに関する法律である。 ーWikipediaよりー
法律上、身元保証とはこのように雇用関係においての取り決めとなっています。
法的に有効なわけではないのに、なぜ入所や入院で「身元保証」として保証人が求められるのでしょうか。
身元保証人=本人の代わりに動くなんでも屋??
施設や病院が身元保証人に求める役割として
- 支払いが滞ったときに代わりに支払ってくれる
- 本人と意思疎通ができなくなったときに治療方針等に同意してくれる
- 体が不自由になったときに、退院退所の手続きをしてくれる
- 退院退所の際の荷物や身柄の引き取りをしてくれる
など、本人が行えないことを代わりに行ってくれる人、施設や病院に迷惑がかからないように動く人、を求めていることがわかります。
病院・施設もビジネスですので、事情はわかりますが…
やはり保証人を付けられない場合入院入所を断るということは問題視されており、国は平成30年に、身元保証人がいないことを理由に入院を拒否してはいけないという通知を出していますが、いまだにかたくなに身元保証人をもとめてくる病院・施設も数多くあるようです。
身元保証を頼める人がいない場合
身元保証を頼める近しい人がいない場合、どうしたらいいでしょうか。
近年こうした需要が高まっていることから、身元保証など親族がいない方の老後の「困った」を請け負いますよ、という高齢者サポート事業者が増えてきています。
令和5年に総務省が行った、身元保証等高齢者サポート事業に関する実態調査では、調査対象とした事業者は412事業者に上ったそうです。(実際に調査に協力したのは204事業者)
そのうち事業開始後10年に満たない事業者が8割だったということからも、急激に増えていることがわかります。
こんなにたくさんの事業者があってもそれぞれが営業を継続しているということは、それなりに利用者もいるということでしょう。
詳しくはこちら☟の記事をご覧ください。
事業者の選び方や、たいせつなことをまとめています。
後見人も身元保証人にはなれないが…
成年後見が始まって後見人がついた方が入院することになっても、病院では当たり前のように後見人に身元保証を求めてきます。
しかし、後見人は以下の理由で身元保証人にはなれません。
- 利益相反:後見人は本人の代理人であり、その債務を保証すると、後見人としての立場と保証人としての立場で利益が相反する。
- 職務範囲外:緊急時の駆けつけや身柄引き取りは、後見人の本来の職務ではない。
後見人としては、費用の支払いは後見人が行うこと、もしもの場合の遺体や居室の荷物の引き取りなども親族が行わない場合は責任をもつことなどを丁寧に説明し、身元保証人ではなく、本人の意思を代理する成年後見人として病院・施設側に理解を求めることになります。
私のこれまでの後見業務の中では、入院・入所の際に絶対に身元保証人が必要だ、として断られたケースはありません。
成年後見人がついている、というのは、今では病院・施設側からすると、遠い親戚にむりやり身元保証人になってもらうよりも確実性があり、むしろ安心なのかもしれません。


